気象災害について

台風による被害

台風による被害は強風、大雨および高波によるものである【写真-1】。最近の台風によって様々な被害が発生している【写真-2】~【写真-12】。台風の構造物への影響は流体の与える影響に大変類似し、その影響は風圧および抗力によるものである。大雨による被害は主に斜面の崩壊、土石流や内部浸食などによる陥没として発生する。これについては地盤災害に対する章で詳細に説明する。

沖縄県における台風について

毎年台風は琉球諸島を通過し、甚大な被害を起こしている。
琉球諸島は、台風の道として知られている。海岸付近では高波が発生し、それは崖の崩壊や他のインフラ構造物の崩壊生じさせている。
沖縄県で最も強い台風は1966年の9月4日~6日に発生し、これは日本の最大級の台風でもあった。この台風により宮古島で最大風速60.8m/sで、瞬間風速85.3m/sが記録された。この時の風速は日本における鉄塔や超高層ビル、タワー、風力発電機などの背の高い構造物などの耐風に対する設計の許容値に選定された。琉球諸島に影響を与える台風は、一年間に8~10回ほど到来する。【写真-2】から【写真-12】に沖縄県で発生した被害も多く含まれている。
また、鉄塔の倒壊は,電力供給の低下につながり、高い波や強い風により、防波堤は決壊した。2003年のマエミー台風により、宮古島にある風力発電は、転倒などの多くの損傷を受けた。

【表-2】日本では過去に記録された最大瞬間風速(気象庁より)

順位 都道府県 地点 最大瞬間速度(m/s) 向き 年月日
1 沖縄県 宮古島 85.3 北東 1966/9/5
2 高知県 室戸岬 84.5 西南西 1961/9/16
3 鹿児島県 名瀬 78.9 東南東 1970/8/13
4 沖縄県 那覇 73.6 1956/9/8
5 愛媛県 宇和島 72.3 西 1964/9/25
6 沖縄県 与那国島 70.2 欠測 1994/8/7
7 沖縄県 石垣島 70.2 南東 1977/7/31
8 沖縄県 西表島 69.9 北東 2006/9/16
9 鹿児島県 屋久島 68.5 東北東 1964/9/24
10 東京都 八丈島 67.8 1975/10/5
11 静岡県 石廊崎 67.6 東北東 2004/10/9
12 徳島県 徳島 67 南南東 1965/9/10
13 熊本県 牛深 66.2 東北東 1999/9/24
14 沖縄県 南大東島 65.4 北東 1961/10/2
15 沖縄県 志多阿原 63.8 南南東 2010/9/19
16 長崎県 雲仙岳 63.7 2004/10/20
17 静岡県 網代 63.3 2004/10/9
18 沖縄県 久米島 62.8 2007/9/15
19 鹿児島県 枕崎 62.7 東南東 1945/9/17
20 沖縄県 宮城島 62.6 西北西 2012/9/29

【写真-1】台風に海岸線での海水のスプラッシュ、サーフ、高波や雨量による川の水の変動【写真-1】台風に海岸線での海水のスプラッシュ、サーフ、高波や雨量による川の水の変動

【写真-2】台風による建物の被害の様子【写真-2】台風による建物の被害の様子

【写真-3】台風によるフレーム構造の被害【写真-3】台風によるフレーム構造の被害

【写真-4】台風によるソーラーパネルの被害【写真-4】台風によるソーラーパネルの被害

【写真-5】台風による様々な構造物の被害【写真-5】台風による様々な構造物の被害

【写真-6】【写真-6】台風に電気柱の被害

【写真-7】台風によるサインポストや照明柱の被害【写真-7】台風によるサインポストや照明柱の被害

【写真-8】台風による車、トラックなどの横転【写真-8】台風による車、トラックなどの横転

【写真-9】台風による風車の被害【写真-9】台風による風車の被害

【写真-10】台風による様々の構造物の被害【写真-10】台風による様々の構造物の被害

【写真-11】台風による高波に伴う浸水被害【写真-11】台風による高波に伴う浸水被害

【写真-12】【写真-12】台風による大雨に伴う斜面崩壊

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